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Unrelatism

備忘録的な個人ブログによく助けられるので自分でもやってみている。中の人は夜専系無気力クズ。

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供養

ココナラでテキストライティングなるものを依頼してみたのですが、正直うーん……という感じで、特に使うこともなさそうなのでここに掲載しておきます。



※テーマは「女装」でした。


僕は異常なのかもしれない…
でも、一度知ってしまった高揚感に病みつきになってしまったんだ。
もう引き返すことはできない。
文化祭でよくある「男子生徒の女装」で、僕は女子でも滅多に着ないであろうドレスを着た。
クラスメイトの女子がヘアメイクを担当して、ウィッグを被せて化粧を施した。
なんだかくすぐったくて、そして恥ずかしかったが、「ねぇ、できた!傑作!!」という歓声と共に目の前に差し出された鏡を覗いて、僕はあっけに取られた。
そこに映し出されていた顔は、確かに僕の面影を宿していたが、とても美しく、可愛らしかった。
声も出ないくらい驚き、そして見入ってしまった僕は、ハッと我に返りクラスメイトたちに「新たな才能開花させちゃった系~?」とふざけた笑顔を向けた。
僕の女装姿は学校中の噂となり、他学年からも見物の生徒が群がってきた。
こんな風に多くの人に注目されて、僕は恥ずかしいというよりも、ゾクゾクとした得も言われぬ高揚感に包まれた。
文化祭が終わり、あの女装の写真をクラスメイトが送ってくれたのを、ぼんやりと眺める日が続いた。もう一度、あの姿になりたい。また皆から注目されたい。美しいと、言われたい。
今まで知らなかった感情に支配されて、僕は困惑した。
僕は異常なのかもしれない…
そう思うこともあったが、そんな悩みよりも、女装したいという突き上げる欲求の方が遥かに強かった。
僕は、こうして家族にも友人にも隠れて密かに女装に興じるようになった。
現代社会に生まれて、僕は本当にラッキーだったと思う。女装を楽しむ男性はタレントだけでなく意外と多く、彼らとはSNSで簡単に繋がることができた。
一見普通のサラリーマンに見える男性や、僕と同じ高校生、定年退職した後の初老の男性まで、実に幅広いコミュニティだった。
SNSで繋がった女装仲間から聞いた女装専門のブティックに通うのが、僕の楽しみとなっていった。誰にも言えない密かな趣味。僕だけの小さな秘密。
いや…小さな…ではないかもしれないな…。
こんな姿を親に見られたら…友人に知られたら…
そう思うと、なぜだか不思議とますます興奮する自分がいて…
やっぱり僕は異常なのかもしれない…
そう思いながらも堕ちていく自分を僕はじっくりと味わっていた。
しかし、僕の白昼夢のような生活は突然乱された。
いつものように行きつけのブティックでレースのセクシーなワンピースを物色していた時だった。
ドアが開き、ひとりの客が入ってきた。
何気なくそちらに顔を向けて、僕は石のように固まった。
クラスメイトの女子生徒だったのだ。
彼女もまた、僕に気付いて固まった。
「え…なんで…」
ふたり同時に口にした言葉がシンクロした。
「あ…わ…私は、靴を買いに」
彼女はそう言った。
「私、足のサイズ26.5なの。普通の靴屋じゃメンズしか無くて可愛い靴を買うのはいつもここなんだ…」
なんと。
自分のクラスにそんなに足のサイズが大きい女子がいたとは。
飛びぬけて背が高いというわけでもない、その女子を目の前に、僕は必死に”言い訳”を考えていて「そ…そうなんだ…」としか返せなかった。
気まずい沈黙が流れる。
「う…あ……」
言葉を継げずにいる僕に、彼女はニッコリ笑いかけた。
「そのワンピース、試着してきたら?」
「え…?」
「気になってるんでしょ?ほら、カバン見てるから。着替えたら見せてよ」
一体どういうことだ。
彼女は何を考えている。
そう思いながらも、僕は素直に試着室へ入った。
着替え終わった僕を見て、彼女は微笑んだ。
「似合ってる」
彼女は僕を写真に収めた。
こうして僕の趣味は、僕だけのものではなくなった。
僕の彼女の不思議な関係が始まった。
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